暑さで寝苦しい夏は、つい睡眠不足になりがちという方も多いのではないでしょうか。睡眠には、脳や身体の疲労を回復し、傷ついた細胞を修復する役割があります。
また、睡眠中に免疫機能を高めるタンパク質や成長ホルモンが分泌されるなど、健康を維持する重要な役割を果たしているのが睡眠なのです。
今回は、夏に睡眠不足になりやすい原因について解説し、睡眠の質を上げるおすすめ対策もご紹介します。寝苦しい夏をうまく乗り切って、健康的な毎日を過ごしてくださいね。
夏に睡眠不足になりやすい原因
夏に睡眠不足になりやすい原因には、主に「深部体温」「温度と湿度」「自律神経」の3つが挙げられます。ここからは、これら睡眠不足になりやすい3つの原因について詳しく解説します。
1.深部体温
睡眠に深く関わっているのが私たちの「体温」です。体温には、皮膚表面の体温と、脳を含めた内臓の体温「深部体温」があります。
就寝に向けて、手や足先から熱を放散させることで深部体温が下がり、脳が休息モードになって眠気が訪れるのです。
しかし、気温や湿度が高い夏は深部体温が下がりづらく、寝つきが悪くなったり、途中で目覚めてしまったりする原因になります。
2.温度と湿度
睡眠時の理想的な温度は、夏は25〜28℃、冬は15〜18℃と言われています。就寝中には、エアコンが途中で切れるようにタイマーを使用する方もいますが、寝苦しさで目覚めてしまうことも少なくありません。
一方、エアコンで身体が冷えすぎて、翌朝だるいという場合もあり、温度のコントロールは夏の睡眠の大きな課題です。
寝苦しさには、湿度も大きく関わっています。一般的に、人が快適に寝られる湿度は40〜60%と言われています。夏は、場合によっては湿度70%を超えることもあり、汗が乾きにくく不快に感じて、途中で目覚めてしまう原因になるのです。
3.自律神経
自律神経の乱れも睡眠不足に繋がります。夏は、屋内と屋外の温度差が激しく、身体に負荷がかかって自律神経が乱れがちです。
また、汗で身体からナトリウムやミネラルが排出されることや、紫外線を浴び過ぎることも、自律神経に悪影響を与えるとされています。
自律神経は、日中に交感神経が優位になり、夜間に副交感神経が優位になることで眠りやすくなります。しかし、自律神経が乱れると、夜間でも交感神経優位の興奮状態のため、スムーズに寝つけない原因になるのです。
睡眠の質を上げるおすすめ対策
ここからは、睡眠の質を上げるおすすめの対策をご紹介します。まず、質の良い睡眠の定義を確認しましょう。そして、 「睡眠環境」「日中の過ごし方」の2つの観点から、それぞれの対策について詳しく解説します。
質の良い睡眠とは
質の良い睡眠とは、 「寝つきがよい」「よく眠れた実感がある」「すっきり目覚められる」の3つが満たせているかどうかで判断できます。
寝る時間帯や睡眠時間が適切かどうかは個人差がありますので、時間ではなく自分の体感で判断すると良いでしょう。
【睡眠環境の対策】
室内や寝具といった睡眠環境は、睡眠の質を左右する重要な要素です。寝つきの悪さや寝苦しさを感じている方は、まずは睡眠環境を見直すことから始めてみましょう。
温度・湿度の設定
睡眠の1時間程前に、寝室のエアコンを25〜28℃に調整して快適な室温に調整しておきましょう。快適に感じる温度には個人差がありますので、27℃前後を目安に、自分がぐっすり寝られる温度を見つけてください。
また、湿度が高い場合はエアコンの除湿機能も使うとよいでしょう。就寝中のエアコンのつけっぱなしが気になる方は、3時間後など長めのタイマー設定で切れるようにすると良いでしょう。
扇風機を使う場合、風を身体に直接当て続けると冷えてしまうので注意が必要です。風が壁に当たるようにすると、部屋全体に涼しい風を循環させられます。
寝具の選び方
快適な睡眠には、寝具選びも重要なポイントです。シーツや掛け布団は、汗を吸収しやすく、熱や湿気を逃す綿や麻などの自然素材が良いでしょう。
冷感効果のある敷きパッドを活用する方法もあります。ただし、冷感敷きパッドは、ポリエステルなどの化学繊維でできているものが多く、製品によっては熱がこもって暑く感じる場合も。
また、冷感ジェルが含まれているパッドも熱がこもりやすい傾向があります。敷きパッドを使う場合は、 冷感ジェルを使っていないメッシュ素材のものを選ぶと良いでしょう。
パジャマの選び方
パジャマも、綿や麻などの天然素材がおすすめです。さらに、軽くて通気性の高いガーゼ生地や、凸凹があって肌離れのよいサッカー生地など、夏向きの織り方の生地を選ぶと良いでしょう。
就寝中にエアコンで冷やしすぎないよう、肩やお腹、脚をカバーできるパジャマを選んでください。半袖+長ズボンのタイプがおすすめです。通気性もあって身体を締めつけない、ゆったりめのサイズを選びましょう。
【日中の過ごし方の対策】
睡眠環境を整えたら、次は日中の過ごし方にも着目してみましょう。対策は「日光を浴びる」「運動」「食事」の3つ。
いずれも、「日中は活動して、夜は休息する」というリズムを、脳や身体に刻むことがポイントになります。
日光を浴びる
朝に日光を浴びることで、セロトニンという脳内物質が分泌されます。セロトニンの主な役割は、脳を覚醒させ、身体の活動性を高めることです。
夕方以降、このセロトニンを原料にして、眠気を催す脳内物質のメラトニンが作られます。
つまり、日中に日光を浴びてセロトニンを十分に分泌しておくことで、夜間に分泌されるメラトニンの量も増え、質の良い睡眠を得られやすくなるのです。
適度な運動
適度な運動も、睡眠の質を上げる大切なポイントです。まず、運動により精神的ストレスが軽減され、身体が適度に疲労して眠りやすくなります。
また、 運動により深部体温を一時的に上げておくことで、就寝に向けて深部体温が下がり、眠りにつきやすくなるのです。
運動は、夕方から夜に行うのが効果的とされていますが、就寝の3時間前には終わらせましょう。寝る間際の運動や激しい運動は、交感神経を優位にして却って不眠の原因になってしまいます。ウォーキングなどの軽い有酸素運動がおすすめです。
食事でリズムを作る
食事によって、身体に1日のリズムを刻むことも大切です。朝食を食べると、血中のインスリンが増えることにより体内時計がリセットされます。
体内時計がリセットされることで、日中は活動し、夜間は眠りに備えて体温や血圧が下がる、という生体リズムが整うのです。体内時計をリセットするためには、朝食は起床後1時間以内に摂るのが良いとされています。
夕食は寝る3時間前には済ませておきましょう。食後すぐは胃や腸が活発に動いているため寝つきが悪くなってしまいます。また、脂肪分の多い食事は消化に時間がかかるため、夕食が寝る間際になる場合は、消化の良い軽めの食事にしましょう。
グラノーラの朝食で良質な睡眠を
忙しい朝は、朝食抜きになってしまう方や、栄養バランスが偏ってしまう方も少なくありません。グラノーラであれば、時短で栄養バランスの良い朝食を摂ることができます。
朝食で特に摂っておきたい栄養素は、 「炭水化物」「タンパク質」「ビタミン・ミネラル類」です。これらは、脳や身体のエネルギー源となり、体内時計をリセットする役割もあります。
グラノーラの主原料であるオーツ麦には、「炭水化物」「タンパク質」「ビタミン・ミネラル類」が含まれているほか、 腸内環境を整えてくれる食物繊維も豊富に含まれています。
腸内環境も、睡眠と深く関わっています。腸内環境が整うことで、睡眠ホルモンであるメラトニンの生成が活発になるのです。
睡眠環境と生活リズムを整えて、暑い夏の睡眠を快適に!
暑さや自律神経の乱れによって、睡眠不足になりやすい夏。就寝中の気温・湿度、寝具、パジャマを見直すことで、寝苦しさを改善することが可能です。
また、質の良い睡眠には、日中の過ごし方も大きく影響しています。朝には日光を浴び、運動や食事で身体に「活動」と「休息」のリズムを刻むことで、睡眠の質を上げることができます。日中は元気に活動して、夜はぐっすり眠り、暑い夏も健康的に過ごしましょう。