最近、よく聞かれるようになった「腸活」という言葉。腸活とは、腸内環境を整えて健康増進をはかることです。腸内環境が美容・健康にもたらす影響の大きさが知られ始め、特に女性の間で腸活が注目されるようになりました。
今回は、腸内環境が乱れることで起こるリスクや、腸内環境の簡単なセルフチェックをご紹介します。また、腸内環境を整えるポイント7選について解説しますので、腸活が気になっていた方は、ぜひ最後までご覧ください。
腸内環境が乱れるとどうなる?
腸内には、「腸内フローラ」と呼ばれる細菌が棲んでいます。細菌には善玉菌・悪玉菌・日和見菌の3種類あり、善玉菌2・悪玉菌1・日和見菌7が理想的なバランスです。しかし、何らかの原因で悪玉菌優勢となり、理想的なバランスから大きく外れてしまった状態のことを、「腸内環境が乱れている」と言います。
○便やガスの臭いがきつくなる
○体臭や口臭がきつくなる
○肌荒れや吹き出物ができる
○自律神経が乱れる
○感染症やアレルギーを発症しやすくなる
○歯周病・糖尿病・がん・うつなどの病気に関連
腸内環境が乱れると、まず現れるのが便秘・下痢といったお腹の不調です。また、優勢になった悪玉菌が作り出す有害物質によって、便やガスの臭いがきつくなったり、体臭や口臭の原因になったりします。有害物質が肌から排出される際に角質や皮脂と結びつくことで、肌荒れや吹き出物の原因にもなるのです。
また、腸内環境は自律神経と相互作用の関係にあり、腸内環境が乱れることで自律神経の乱れに繋がります。さらに、腸内環境の悪化により腸の免疫機能も低下し、感染症やアレルギーを発症しやすくなってしまうのです。近年の研究では、歯周病・糖尿病・動脈硬化・がん・うつなど様々な病気も、腸内環境と密接な関係にあることが分かってきました。
あなたの腸は大丈夫?腸内環境セルフチェック
自分の腸内環境を調べたい場合、市販のキットや病院で腸内フローラの検査ができます。気になる方は検査を受けるのもおすすめです。まずは簡単にセルフチェックしたいという方は、次のチェックリストを参考にしてください。
✅ 2日以上便が出ていない日がある
✅ 便の形が悪く、とぎれとぎれに出る
✅ おならの匂いがきつい
✅ 朝食を食べない
✅ よくかまないで食べてしまう
✅ 生野菜が嫌い
✅ 発酵食品をあまり食べない
✅ 肉をよく食べる
✅ 寝る時間が不規則
✅ 肌荒れがひどい
✅ ストレスがひどい
出典:きゅんと『お医者さんの健康コラム』2020年11月5日掲載
https://www.the-miyanichi.co.jp/special/quntto/health.php?filePath=1604370538.xml
チェックリストはあくまで目安ですので、不調が現れている方や気になる方は医療機関へ相談してください。
腸内環境を整えるポイント7選
美容・健康にとって大切な腸内環境。生活習慣を改善すれば、2週間で腸内フローラのバランスは劇的に変わると言われています。ここからは、腸内環境を整えるポイント7選をご紹介しますので、まずは2週間、チャレンジしてみてくださいね。
② ストレス・睡眠不足を避ける
③ 運動習慣を取り入れる
④ 食物繊維を摂る
⑤ 発酵食品を摂る
⑥ いろいろな食品を食べる
⑦ 抗生物質の飲み方に注意
①朝の習慣(水・食事・トイレ)
朝起きたら、「コップ1杯の水を飲む」「朝食を摂る」「ゆっくりトイレに行く」の3つを習慣にしましょう。水を飲むことで胃腸が目覚め、朝食を摂ることで腸が活発に動き出します。
そして、ゆっくりトイレタイムを設けることで、副交感神経が優位になって排便しやすくなるのです。朝、忙しくバタバタしていると排便のリズムが作りづらくなります。腸のためにも、朝は少し余裕を持って起きるようにしましょう。
②ストレス・睡眠不足を避ける
ストレスや睡眠不足によって交感神経が優位になり、腸の消化機能が低下します。その結果、腸内フローラのバランスが乱れ、悪玉菌優勢の腸内環境になってしまうのです。自分に合ったストレスの対処法を見つけ、質の良い睡眠を心がけましょう。
ポイントとなるのが夜の過ごし方です。できるだけ パソコンやスマホなどのブルーライトを避け、入浴時にはゆっくり湯船に浸かるのがおすすめ。リラックスモードである副交感神経が優位になり、ストレス解消や睡眠の質向上が期待できます。
③運動習慣を取り入れる
運動によって腸を刺激し、腸の活動を促進させる効果が期待できます。おすすめは1日30分程度のウォーキングです。通勤や買い物の時間を利用し、遠回りしたり階段を使ったりして運動を取り入れてください。
排便時には腹筋が必要ですので、 スクワットや腹筋運動で鍛えておくのも良いでしょう。また、腸を刺激するマッサージも効果的です。おへそを中心に、時計回りに円を描くようにマッサージしましょう。
④食物繊維を摂る
何と言っても欠かせないのが食物繊維です。腸内環境を整えるために、善玉菌のエサとなる食物繊維をたっぷり摂りましょう。食物繊維には、水に溶ける「水溶性食物繊維」と水に溶けない「不溶性食物繊維」があります。善玉菌のエサになりやすいのが、水溶性食物繊維です。水溶性食物繊維が豊富な食品には、大麦・オーツ麦・納豆・果物類・海藻類などが挙げられます。
特に腸活フードとして注目を集めているのが、グラノーラです。主原材料であるオーツ麦には、水溶性食物繊維だけでなく不溶性食物繊維も豊富に含まれています。不溶性食物繊維は、水に溶けずに腸内に運ばれるため、排便を促し有害物質を排出する働きがあるのです。
⑤発酵食品を摂る
発酵食品を摂ることで、善玉菌そのものを腸に取り込むことができます。代表的な発酵食品は、味噌・納豆・キムチ・漬物・ヨーグルト・チーズ・お酢・甘酒など。一度にたくさん食べるのではなく、毎日こまめに食べることが効果を得るポイントです。毎回の食事で少しずつバランス良く食べるようにしましょう。
⑥いろいろな食品を食べる
腸内環境を整えるには、善玉菌の量だけでなく種類を増やすことも大切です。善玉菌の中で代表的なものは、ビフィズス菌・乳酸菌・酵母・納豆菌・麹菌が挙げられます。それぞれが異なる特徴や働きを持っているため、できるだけ たくさんの食品から多様な善玉菌を取り入れるようにしましょう。ただし、人によっては合わない善玉菌もあるので、日々体調はチェックしてくださいね。
⑦抗生物質の飲み方に注意
抗生物質は、病原菌を撃退するために大切な医薬品ですが、その飲み方には注意が必要です。 抗生物質を1週間服用すると、腸内細菌はすべて死滅すると言われています。身近な薬ではありますが、必ず医師の指示に従って服用しましょう。以前に処方されて余った抗生物質があっても、自己判断で服用することはやめてください。
美容・健康のカギは腸内環境にあり。まずは2週間、腸活を始めよう!
私たちの美容・健康は、想像以上に腸内環境に影響されていることが分かりました。まずはセルフチェックを通して、ご自身の腸内環境に注目してみましょう。
腸内環境を整えるには、日々の生活習慣の見直しが不可欠。生活習慣を見直すと、2週間で腸内フローラのバランス改善が期待できます。今日から腸活を始めて、スッキリ健康な毎日を過ごしてくださいね。